♀ my prince ♂
最後のサプライズ
―そのあと。
玲央くんのお家に行く予定だった私たちは彼のお家へと向かう。
だけど…そこで見た光景に唖然としてしまう事件が起こる―…。
「…も~、遅いっ!!何してたのっ!?」
「ぇ…!?」
なぜかリビングルームの入口近くにいた歩実ちゃん。
その彼女に言われて私は、その部屋を見渡す―。
夏凛ちゃん、亮くん、歩実ちゃん、玲央くんの家族、そして…
「な…!?何でうちの家族もいるのっ!?」
私の家族も、それぞれ部屋の椅子に座っていた。
「今日は玲央くんが帰ってくるからって里原さんにご招待されたの~っ!」
なーんて上機嫌に答えるお母さん。
「……。」
な、なに…?何とも言えないこの感情は…。
「ねぇ、未亜ちゃん」
「え…っ?」
名前を呼ばれて玲央くんの方を見る。
『さっきのこと…言っていいでしょ?』
すると…そう耳打ちされた。
「あっ…うん…」
「ねぇ~、二人で何話してるの~?」
夏凛ちゃんがそう言う。
「え!?あ…っ」
「今から皆さんに、ご報告したいことがあります」
それに答えるようとした私を遮り玲央くんが口を開いた。
「何だよ!?急に改まっちゃって~」
すかさず突っ込む亮くん。
「つべこべ言わず聞けっての。俺たち…」
「っ…!」
その言葉と共に肩を抱かれる。
「…婚約しました。」
彼がそう言った瞬間―。
「「えぇ~……っ!!!」」
「「おめでとー!!」」
驚きの声と歓喜の声が入り乱れるように聞こえてきて拍手が送られた。
こんなにも喜んでくれる人たちがいるなんて…
私は、なんて幸せ者なんだろう…?
幸せすぎて怖いぐらいだよ…っ
そして、ふと…隣の彼と目を合わす。
以心伝心したかのように二人で笑い合った―。