♀ my prince ♂
「ねぇ、お姉ちゃん。もっと見せて!」
「え…!?ちょっと…っ」
すると突然…美久に無理矢理、手を引っ張られる。
「ほんとにキレイだなぁ…キラッキラしてるー…。玲央さん、これって高かったですか?」
「っ!ちょっと美久…っ!!」
私の手を取ったまま、妹が彼にそんなことを聞く。
それを止めようと私は間に入った。
「んー……まぁ、それなりに?」
だけど彼は何となくだけど…それに答えてしまう。
「へぇ~!お姉ちゃん、愛されてるね?」
そう言って…妹はニヤッと笑った。
「な…何なの、その顔…っ」
「別に~?」
そう言って私の手を離す。
「なぁなぁ、兄貴。あれしないの?」
「あれ…?あれって何だよ。」
今度は彼の弟・漣くんが彼にそう言う。
「またまた~、とぼけちゃって。…キスに決まってんじゃん。」
「えぇ…っ!?」
その彼の発言に一番驚いたのは…私だった。
れ、漣くん…!!何を言っちゃってるの…!?
こんなとこでなんか絶対にダメだよ…!!!!
親だって見てるのに…っ!!
「……未亜ちゃん、やなの?」
「え…っっ!?」
「どうせ結婚式でキスするんでしょ?だったら予行練習みたいなもんじゃん」
私の反応を見た漣くんは私に詰め寄り…しまいには軽々しくそう言われてしまう。
「っ…」
そ、それとこれとは…別物なんだってば…!!
玲央くん…!もう助けて…っ!!!
そんな願いを込めて玲央くんを見上げる。
だけど…この行動が間違いだったと気づく―。
ちゅ…っ
「っ…!!」
その瞬間…まんまと彼に唇を奪われてしまったのだから…―。