♀ my prince ♂
smile.4
初めてのこと
―あれから。
夏凛ちゃんの部屋に行きソファに座っている。
「…で、何があったの?」
夏凛ちゃんが心配そうに聞いてきた。
「あのっ……私…玲央くんに……っ」
「里原くんが何…?ゆっくりでいいから、ね?」
そこまで言って、なかなか続きが言えないで俯くと
夏凛ちゃんは私の頭を撫でながらそう言ってくれた。
「っ……キス、された…」
「え…!?そうなのっ!?」
「……うん…」
私の発言に夏凛ちゃんは驚きの声を上げて私は小さく頷いた。
「そっか…だから様子がおかしかったんだ…」
そう言って夏凛ちゃんは、また頭を撫でてくれる。
「うん…だから…もう何が何だか分かんなくて…」
「う~ん……まぁそうだよね。いきなりキスなんてされたら…誰だって驚くに決まってるよ。」
「夏凛ちゃんも…そう思う?」
顔を上げて夏凛ちゃんを見る。
「うん。私、未亜ちゃんがそう思う気持ち…すっごく分かるもん。」
「夏凛ちゃん……ありがとう…」
「んーんっ」
夏凛ちゃんは笑顔でそう言った。
「……で、続きがあってね…」
「なに?続きって…」
「……私の…っ」
一呼吸、置いて。
「……ファーストキス、なの…ッ」
再び俯いてそう打ち明けた。