♀ my prince ♂
ドキッドキッドキッドキッ…
「…ごめんね?未亜ちゃん。関係ないのに巻き込んじゃって…」
そう言う玲央くんの手が私の口から離れた。
「へっ……ううん…」
なん、だろう…?
“もっとこのままでもいいな…”って思ってしまう、この感じは…。
「……あっ!てか重いよね?ごめん、降りるっ」
そう言って立ち上がろうとした。
「いいって。重くないもん」
だけど…玲央くんは私の腕を引っ張って、またそこに座らせる。
「えっ…でも私…用事があるから…」
私は、そんな玲央くんに振り返った。
「あ…そうなんだ。じゃあ教室で待ってる…いい?」
「うん…いいよ」
「ありがとう。絶対来てね?」
笑顔でそう言う玲央くん。
「っ……うん…」
「じゃあ……」
「っ!!……ぅわぁ…っ!!」
玲央くんはそう言ったと同時…
私の腰を掴んで立ち上がらせた。
「ごめん。ビックリさせちゃった?」
そう言いながら玲央くんも立ち上がる。
「あっ…うん。ちょっと…」
「そっか。ごめんね?それじゃあ、またあとで」
「うん…またね…?」
私たちはその場を離れて別々の方向に歩いていった――。
何で玲央くんの笑顔は…あんなにもいいんだろう?
何回見ても見飽きない、っていうか…。
やっぱりそれは…玲央くんが王子様だから、なのかな…?