♀ my prince ♂
―それから数十分後。
私は教室に戻ることにした。
もう人が少なくなった廊下を歩いていく。
てか玲央くん…
“待ってる”って言ってたけど…まだいるのかな…?
さっきのあれから…結構、時間経ってるんだけど…。
そして教室に辿り着いた。
「ぁ…」
ドアを開けて教室内を覗いてみると…本当に玲央くんは待っていた。
それも…私の席に座って――。
「…あっ、未亜ちゃん来た~」
そう言って子供っぽく笑う玲央くん。
「っ…」
へっ!?何だろう?今の…。
その笑顔を見た私は何でか分からないけど…
胸が"ドキッ"としたような気がした。
「玲央くん…ごめんね?待ったよね…?」
教室の中に入って玲央くんに近づいていく。
「ううん全然。」
玲央くんはまた笑う。
「っ…」
え、なに…?玲央くんがいつもと違って見える…。
そんな気持ちを抱えた私は玲央くんの傍に行き
彼の席に座ろうとした、んだけど…
「ちょっと待って!」
玲央くんがそう言うので座るのを止められた。
「なに…?」
「あのさ…さっきの続きしない?」
「さっきの続き…?」
玲央くんの言っていることが私にはよく分からない。
「そっ。だから……ここ座って?」
そう言いながら玲央くんは自分の脚を軽く叩く。
「えぇっ!?で、でも…っ」
「いいから、いいから……ね?」
玲央くんはそう言うと…また微笑んだ。
ドキ…ッ
へっ!?また、だ…何なの?これ…。分かんない…っ