♀ my prince ♂
「それで…どういう風に思ってんの?里原くんのこと」
「えっ、と……」
次に夏凛ちゃんにそう聞かれて…
玲央くんのことを思い返してみる――。
玲央くん、は…―、
「優しいし…笑顔が可愛いし…かっこいいし…頼もしいし…それに…」
私は指折り数えながらそう言っていく。
「それに…?」
「今日、玲央くんの膝の上に乗って…“ずっとこのままでもいいなぁ”って思った…」
ほんとにそう。
何か心地よくて…ちょっと緊張はしたけど安心もできて…。
「ねぇ……質問していい?」
夏凛ちゃんは不思議そうな顔を私に向ける。
「うん…」
「何してたの?二人で」
「えっ…!?あっ何かね…?玲央くんがファンの子たちから逃げてて、ちょっと巻き添え?みたいな…」
私は慌てて事の事情を話す。
「あっ…そうなんだ?」
「うん…ッ」
私は頷いて、そのまま下を向いた。
だ、よね…??
いきなりそんなこと言われたって…理解出来る訳ないよね…?
(そこまで言えるんなら…好きなんだろうなぁ)
夏凛ちゃんのそんな小声なんて…私には聞こえていなかった。
「てか未亜ちゃん!」
「ん…?」
名前を呼ばれ顔を上げる。
「ちゃんと…自分で気づかなきゃダメだよ?」
「え…?何に?」
「まぁいろいろ。」
「……うん?」
そう笑顔で言う夏凛ちゃんに私はあまり意味が分からないまま返事をした。