♀ my prince ♂
―あれから数日。
亮くんが戻ってきた学校では…
『きゃー!!玲央様~!!』
『きゃー!!亮様~!!』
毎日のように二人の王子様が騒がれている――。
「はぁ…」
玲央くん一人でも“すごいなぁ”って思っていたのに…
そこに亮くんが加わったから…ほんとに最強だなぁ~…。
毎日こんなことを思うばかりの私。
っていうか…飽きないのかな?毎日同じことばっかして…。
私には全然分からないや。というか疲れちゃう気がする…。
…とかも思ってみたり。
そんな毎日をすごしていたけれど…
一学期も終わりに差しかかったある日。
私は今日も夏凛ちゃんと一緒に帰ろうとした。
その時―…、
「…未亜ちゃんっ」
「ぇ…亮くん…?」
そう呼ばれ振り返ると教室のドアの所に亮くんが立っていて私の名を呼んだ。
「小嶋さん。未亜ちゃん、ちょっと借りるね?」
「っ!!……ぅわっ…!」
夏凛ちゃんにそう言った亮くんは…
私の腕を掴んでどこかへ歩き出した。
「えっ…ちょっ…亮くんっ!?どこ行くのっ!?」
こんな私の質問に答えないまま亮くんは歩き続けて…
「…っ。」
人気のない廊下へ着き私の腕を離した。
「何なの?亮くん…」
「…ねぇ、未亜ちゃん」
そう言った亮くんが私に振り返る。
「なに…?」
「玲央のこと……どう思ってんの?」
「っっ…」
亮くんにそう聞かれた私は久しぶりに…
ものすごく"ドキッ"としてしまった…―。
「えぇっ…と…―」
ドキドキドキドキ……ッ
「優しいし…笑顔好きだなぁ~…って。あと…何かドキッとする…」
私は玲央くんに対して思っていることを亮くんに正直に話してみる。
「ふ~ん…じゃあ俺は?」
「えっ…亮くん?」
次にそう聞かれて、ちょっと驚きながらそう言った。