♀ my prince ♂
smile.7
私の気持ち
―7月下旬。
学校はもう既に夏休みに入っていた。
時刻は午後9時すぎ。自分の部屋に一人。
「はぁ~……」
今、何してるのかなぁ…?玲央くん。
「……んん?」
うわ、まただ…。
また玲央くんのこと考えてる…。
私ってば、重症だよね…?
“玲央くんのことが好き”
そう気づいたあの日から…私は一人で部屋にいる時、
彼のことをすごく考えてしまうようになってしまった。
“これが恋する力なのか…”って。
今まで本当に体験したことがない気持ちの連続に…
毎日困惑しているし…だけど嬉しくなる時もあって…。
う゛~…もうどうしよう…。
夏凛ちゃんのとこ…行こうかなぁ…?
夏凛ちゃんなら…助けてくれるかも…。
いろいろ思ってみてもどうしようもなくなった私は
夏凛ちゃんのお部屋に行くことにした。
そして、そのままの格好で部屋の外に出る――。
「っ…!?」
バタン…ッ!!
ドアを開けると…真向かいの玲央くんも外に出てきて私は咄嗟にドアを閉め部屋に戻る。
ドキドキドキドキ…ッ
急に出てくるなんて反則だよっ!!心臓バックバクだよぉ…。
コンコン…ッ
『未亜ちゃん…?大丈夫?俺、何かしちゃった?』
そう思っていた時…玲央くんの心配そうな声が聞こえてきた。
「ぁ…」
だめじゃん、私…。
玲央くんは何も悪くないのに…心配なんてさせちゃ…。
ガチャ…ッ
「ごめん、ね…?突然だったから…ちょっとビックリ、しちゃって…」
またドアを開けた私は、チラっと玲央くんを見てそう言った。