♀ my prince ♂
―そのあと。
担任の先生(女の人)が入ってきて軽いホームルームを開き、
ちょうどいいタイミングで教室中にチャイムが鳴り響いた。
「じゃあ今日は、これで終わり。みんな、明日からちゃんと来るように!起立、礼…さようなら」
「「さようならっ」」
クラス全員がそう挨拶をして解散となる。
ガタン…ッ
そんな中、私は再び椅子に座った。
みんな仲良い子がいるんだなぁ…。
そっか…ここって中高一貫なんだったや…。
そりゃあ仲良い子の一人や二人、いて当たり前だよね…?
続々と帰っていくみんなを見ながら、そう思い帰る準備をしていた、その時…
「…ねぇっ!名前なんて言うの?」
そう言った声が聞こえて前を向くと…一人の女の子が私の前の席に座っていた。
「えっ、と……鈴村 未亜」
「へぇ~!名前、可愛いねっ」
「そ…そう、かな?」
「うん!すっごく可愛い~」
その女の子はニコっと笑った。
「ぁ…ありがとう。えっ、と…」
「あ。私、小嶋 夏凛(こじま かりん)。夏凛って呼んでね?」
「うん、分かった。てか夏凛ちゃんも可愛い名前だね」
「そう~?」
「そうだよー!…ぁ。私も未亜って呼んでね?」
「うん、分かった!よろしくね?未亜ちゃん」
夏凛ちゃんは笑顔でそう言う。
「こちらこそよろしくね、夏凛ちゃん」
だから私も笑顔でそう返した。