♀ my prince ♂
「っ…」
玲央くんはあまり気にしていないみたいだけど…
私の心配、してくれているんだよね…?
私と玲央くんが…誤解、されないように…―。
でも私……私は…っ
「大丈夫だよ…?」
玲央くんとなら…そうゆう噂が立っても大丈夫…。
だって私は…玲央くんのことが好きなんだもん…っ
「……何か言った?」
私の小声に気づいたらしい玲央くんがこちらを振り向いた。
「ううん、何でもない」
私は笑って、そう返す。
「そ?てか未亜ちゃんさー…他の中学から来たんだよね?どんな感じのとこだった?」
「んーと…。
ここみたいに、お嬢様とかお坊ちゃまがいる訳じゃないから…内装だって高価な物はなくって…ほんとにごく普通、なとこだったよ」
「へぇ~、そうなんだ」
「うん。…玲央くんは?」
「俺は…小学校の時から、ここの付属だからさ…あんまり変わり映えしないっていうか…」
「え、そうなの?ここって…付属の小学校もあるんだー」
「うん、あるよ。知らなかった…?」
「うん。……初耳ッ」
そう言ってベンチの上に手を置こうとした。
その時―…、
「っっ…!?」
先に置いてあった玲央くんの手に触れてしまい…私は咄嗟に自分の手を引っ込めた。
ドキドキドキドキ…ッ
「ご、ごめん…っ」
玲央くんの手と触れた方の手を、もう片方の手で包んで…俯いた。
「…ううん」
うわ、どうしよう…?今までよりもずっと…ドキドキしてるよぉ…。
♪~♪~
そう思っていた時…服のポケットに入れていた携帯がタイミングよく鳴る。
「あ……ちょっとごめんね…?」
まだ玲央くんの顔が見れないまま…私はポケットから携帯を取り出した。