♀ my prince ♂
【未亜 side】
「ぁ…」
私が部屋から出ると…リビングで玲央くんが立っていた。
「玲央くん…夏凛ちゃんと亮くんは?」
そんな玲央くんに段々と近づいていく。
「あぁ~…二人でどっか行ったよ」
「えっ…!?あっ…そうなの…?」
すぐ目の前で止まった所で聞かされた事実。
それに一瞬、息が止まるかと思うくらいビックリした。
「うん。」
ドキドキドキドキ…ッ
っていうことは…玲央くんと二人っきり…?
どっ…どうしよう…?急に緊張してきた…。
二人っきりだと理解した瞬間どうしていいのか分からなくなる。
「…ねぇ、未亜ちゃん」
「へ…っ!?」
すると…急に名前を呼ばれて私は素っ頓狂な声をあげてしまった。
「好きな人……いる?」
だけど玲央くんは真剣な顔つきをしてそう聞いてくる。
「えぇっ、と……」
きゅ、急にそんなこと言われても…。
私の好きな人は…今、目の前にいるのに…。
どう答えていいのか迷って目を泳がせてしまう。
「……いるんだ?」
「ぅ…うん…」
そんな私を見た玲央くんは何かを察したらしい。
だから私は素直に頷いた。
「そっか。実はさー……俺にもいるんだよね」
「え……?」
玲央くんの言葉に驚き目を見開く。
玲央くん…好きな人、いるんだ…。
「でさ、今日最終日じゃん?だから……言おうと思って」
「へっ…!?」
そんなことを聞かされた私は…胸騒ぎが起こるのを感じた。
やだよ、そんなの…っ!!
相手が玲央くんだったら…絶対OKに決まってるじゃん…。
私だって…玲央くんへの“好き”が…もう止まらないのに…。
「で、俺の好きな人って…―」
やだ…!聞きたくない…っ!!!!
両目をギュッと閉じ両手を耳の方に持っていき耳を塞ごうとした…
その瞬間…――。