♀ my prince ♂
「あるよ、あるある!だから好きなのに…」
「///……」
そんないっぱい言われたら…ますます照れちゃうじゃんか…。
「//…あのっ…えっ、とね…?あと言いたいことがあって…」
「何?」
「あのね…?オリエンテーションの日、ベランダに行ったの…覚えてる?」
「うん…覚えてるよ?俺が連れてったからね」
「そこで玲央くん…私にキス、したよね…?」
「うん……したよ」
「あれ、私の…―」
ドキドキドキドキ…ッ
「―…ファーストキス、だったの…//」
恥ずかしくって玲央くんの目を見れない気がして私は俯く。
何でか分からないけれど…このことを言っておきたかった。
っていうか…知っておいて欲しかったんだ……玲央くんには。
「えっ…!?あ、そうだったんだ…?ごめん…」
その事実を知った玲央くんの声は申し訳なさそうだった。
「ううん、謝らないで…?
あの時は全然分かんなかったんだけど…嫌じゃなかったの…。
だから初めてが…玲央くんで本当によかったな、って…」
だから私は明るく言うように努める。
すると―…、
「っ…!?」
彼によって顎を掴まれ視線が絡み…その距離が徐々に短くなっていく。
その行為で今から何をされるのか気づいた私はそっと目を閉じた―…。
ちゅ…っ
唇にキスをされたことが分かり段々と玲央くんが離れていく気がした頃ゆっくりと目を開け始める。
ギュ…ッ
「っっ…」
そしていつの間にか…玲央くんの大きな腕に抱き締められていた。
「ありがとう…未亜ちゃん」
「ううん…私こそありがとう…」
私は自然と…玲央くんの背中に腕を回した。
私…すっごく幸せだよ…?
好きな人に“好き”って言ってもらえるって…こんなにも幸せを感じるんだ――。