♀ my prince ♂
smile.9
宿泊研修【後半】
―その時。
ガチャ…ッ
部屋のドアが開く音が聞こえてきた。
「たっだいま~……って抱き合ってるよー。もうラブラブだね~?」
そう言う夏凛ちゃんの声。
「ほんとだー!熱々なんだけど。」
それに乗っかる亮くんの声。
ぅわぁ…っ!!帰って来ちゃった…っっ
『れ…玲央くん…っ!!恥ずかしいよ…』
『別にいいじゃん。あいつらに見せつければ』
私が小声で言いパッと腕を離すと玲央くんは耳元でそう囁いた。
えぇ~~……。
「あっそうだ…未亜ちゃん!
玲央って~…Sっ気あって、ちょっと強引で…
あ、時々エロいかも?だから気をつけてね~?」
「え、そうだったのー?」
「うん!!!!!!」
亮くんと夏凛ちゃんは、そんな会話を繰り広げる。
それってどうゆう…って…!今の状態…だ……きっと。
『あぁーもう…ごちゃごちゃうるさいなぁ…もっと見せつけてやろうかな。』
『ぇ……?』
玲央くんが小声でそんなことを言う。
だけど私には全く理解出来ない。
え、え……!?なに…!?!?
頭の中が混乱する最中、玲央くんとは目が合って…
「っっ…!!!」
また唇にキスを落とされた―。
「……私、人がキスしてんの…初めて見た…」
「俺は見たことあるなぁ」
「っ……!!/////」
えぇ…っ!?ふ、二人の前で……きっ、キス……!!!
「てか未亜ちゃん。顔、真っ赤ー」
「えっ…!?だ、だって…恥ずかしいん、だもん…っ//」
夏凛ちゃんの声で我に返り私は俯きながらそう言った。
「…可愛い。」
そう言う玲央くんには頭の上に手を置かれる。
「あ、それより!もう帰るから集合だって」
「あと宮崎さんも待ってた」
夏凛ちゃんと亮くんがそれぞれ言う。
「そっか。じゃあ早く行こう。」
自分たちの荷物を部屋に取りに行き四人でコテージをあとにした――。