♀ my prince ♂
「うん!っていうか、さっき……王子様と喋ってたよね?」
「王子様…?」
私は夏凛ちゃんが誰のことを言っているのか分からず首を傾げる。
「うん。ほらー、こっちに座ってた」
夏凛ちゃんはそう言いながら私の隣の席を指差した。
「ん……?あっ、玲央くん?」
「そうそう」
「でも……何で王子様なの?」
玲央くんが王子様って…どう繋がる話なの?
確かに“笑顔”は王子様みたいだったけど…。
「あっ知らない?てか高校から来たんでしょ?」
「うん…」
「それじゃあ知らなくて当然かぁ。そしたら私が教えてあげるよ。
ここにいた里原玲央ってね…超ーお金持ちなの!しかも学校一!!」
「えぇ~!!!そうなのっ!?!?」
夏凛ちゃんの発言に私はものすごく驚いた。
「そうなの!!!!てか未亜ちゃん、里原財閥って知ってたりする?」
「“里原財閥…?”聞いたことはある、ような…」
確か…日本で有数のお金持ちさん、だったような…。
「そっかそっか。その“里原財閥”の跡取り息子なんだよ、そこの王子!」
夏凛ちゃんは再び隣りの席を指差す。
「えぇっ!?嘘っ!?」
「嘘じゃないよ、ほんとー!それに頭がよくって運動神経バツグン。
おまけに…あのルックスでしょ?だから王子様って呼ばれてるわけ」
「何かすごいね、玲央くんて…」
「それだけじゃないよっ!追っかけだっているんだから」
「えぇっ!?そうなのっ!?!?」
この夏凛ちゃんの発言に私は今日一ってぐらい驚いた。
「うん。それで、その追っかけの子たちは里原くんのこと…玲央様って呼んでるの」
「ふぇっ!?様付け…!?って……それすごいね…」
ごめんなさい、前言撤回。こっちの方が驚きました…。
『ただ者じゃないな』っていうオーラは感じ取ってたけど…
そんなにすごい人だったんだ…玲央くんって人は…。