♀ my prince ♂
―そして。
プライベートジェットの中に乗り込むと…
私と玲央くんは特別室的な所へと案内された。
「す…すごいね、ここ…」
「あぁ~…まぁ向こうよりはすごいだろね。そんなことより座ろ?」
「うん。」
私は玲央くんに手を引かれたまま座席に着く。もちろん隣の席に。
てかここって…二人だけなのかなぁ…?
そう思っていた時…突然、後ろにあるドアが開く音が聞こえてくる。
え…!?誰…?
「よぉ!ラブラブなお二人、元気~?」
誰か来たのか確かめようと後ろを振り返ると…亮くんが入って来た。
「亮くん…!?何でここに入れるの?」
「実は俺も入れるんだよね~、ここって」
「あっ、そうなんだ…。ってことは…玲央くんは知ってた…の?」
亮くんと玲央くんを見てそう話す。
「うん。まぁ一応ね」
「へぇ~…。あっ!じゃあ、夏凛ちゃんは…っ!?」
私は少し声を張った。
だって私がここにいたら…夏凛ちゃんはきっと一人になっちゃうんだもん…。
「…いるよ~!!」
だけど…そう言った夏凛ちゃんが亮くんの後ろから姿を現した。
「夏凛ちゃんっ!」
「てかお前、何で入れんの?」
玲央くんは怪訝な顔でそう言った。
「俺が宮崎さんにお願いしたんだよ。向こう行っても一人だと思って」
「……亮くんって……優しいんだね…?」
亮くんの優しさに思わずそんなことを言ってしまった。
「でしょ~!?そんな奴より、100倍ぐらい優しいんだからっ!!」
すると夏凛ちゃんがそれに乗っかってきた。