♀ my prince ♂
「って、おいっ!もういい加減にしろよな!?てか元はと言えば未亜ちゃんからだけど」
少しご機嫌斜め?に見える玲央くんの顔。
「えっ!?あっ…ごめんなさい…」
それを見て慌てて謝った。
そんなつもりじゃなかったんだけど…。
「それより、さっき見たよ~」
そう言いながら夏凛ちゃんは私の隣に座る。
「へっ…何を?」
「またキスしてたでしょ?」
「ふぇ…っ!?み、見てたの…っ!?」
「うん。見てた見てた」
えぇ~…また見られてたんだ…もう恥ずかしすぎる…。
「てか私…一日に二回も見るなんて、これっぽちも思わなかったなぁ~」
そう言って夏凛ちゃんはまた突っ込む。
「も!もう止めてよぉ~……恥ずかしいんだから…//」
何度も突っ込まれた私は…もう顔なんて上げれなくなってしまった。
「分かった分かった~。でもさー…したんじゃなくて、されたんだよねぇ…?その人に。」
「ぅ………うん…//」
夏凛ちゃんの質問に私は顔を上げないまま頷く。
「…ヤラしいぃ~!!!」
夏凛ちゃんが睨みながら玲央くんにそう言っている気がした。
「何だよ、その目はっ!!」
「べっつにぃ~!!!!」
玲央くんにそう言ったあと、
「未亜ちゃん!ほんっとに気をつけてねっ!?」
夏凛ちゃんは私の顔を覗き込む。
「ぇ……?うん…」
何に気をつけたらいいのか全然分からないんだけど…一応、夏凛ちゃんに返事をした。
「だから返事しなくていいって!」
するとすぐ玲央くんにはそう言われてしまう。
「えっ……何で…?」
「何でもっ!」
それでも私には全く分からないから玲央くんの方を見ると…理由なく念を押すようにそう言われた。
「……??」
どうゆうこと…?私…ほんとに分からない、よ…?
―こうして。
楽しくって、いっぱいドキドキした宿泊研修は幕を閉じたのだった――。