♀ my prince ♂
smile.10
好きなもの
―時刻は…P.M.10:00すぎ。
あの宿泊研修から…ちょうど一週間が経っていた。
ついさっきまで夏凛ちゃんと一緒にいたんだけど…
「はぁ~……」
私から出るのは、ため息ばかりで…なんだか寂しい気分になってしまう。
「はぁ~……」
やっぱり…もっと会いたいな…喋りたいよ…。
そう思った時、
♪~~
テーブルに置いていた携帯が鳴って画面を見てみる。
えぇ!?嘘…っ!?以心伝心、じゃん…っっ
っていうか早く出ないとっ!!!
ピ…ッ
「はい、もしもしっ」
その電話の相手とは…
『あっ未亜ちゃん…?今って大丈夫?』
玲央くん。…私の彼氏。
「うん、大丈夫だよ。それに…私も声聞きたいって…思ってたもん…//」
後半は恥ずかしくなって小声で言った。
『ん…?未亜ちゃん…?最後の方、聞こえなかったんだけど…』
「へっ!?ううん、気にしないで?独り言…だから…」
『……うん…?てかさ~…今から会えない?』
「えっ……今、から…?」
『うん。何だか声聞いちゃったら無性に会いたくなって……あ。無理なら全然いいんだけど。』
「ううんっ…そんなことないよ!私、も…会いたい…//」
私は電話越しなものも忘れて思いっきり首を横に振った。
『じゃあ…部屋の前で待ってる』
「うん…」
そのあと電話を切った。
うわっ、どうしよう…?
“会いたい”のは本当なんだけど…この格好じゃ外に出れない…っ(※ちなみにパジャ姿)
なに着ていったらいいの…?う゛ーーん……
そう思って部屋を見回す。
「!」
あ…!あれ!あれにしよう!!
壁に掛けてあったピンクで白いレースが施してあるワンピースと目が合い、それを着ることに。