♀ my prince ♂
「ねぇ…未亜ちゃんの好きな物って何?」
「ぇ…?好きな、もの…??」
夜空を見ながら言う玲央くんに私は少し驚きながら彼の横顔を見た。
「うん。俺さ…未亜ちゃんがどんな色や物が好きなのか…全然知らないから…」
言いながら玲央くんは私を見つめる。
「だから教えて…―」
「私もっ」
彼が続きを言おうとしたのを私は遮った。
「えっ…?」
そんな私に玲央くんは少し驚いている様子。
「私も…同じだなって…」
それなのに…こんなにも玲央くんを好きになるなんて…すっごい不思議だよね…。
「だから…私も知りたいなって…玲央くんの好きなもの。」
「…そっか。分かった、俺も教えるよ」
玲央くんは少し微笑んでそう言ってくれた。
「ありがとう。じゃあ私から言うね。えっと…」
そう言って私は夜空を見上げた。
「色は……ピンクと白、かな」
「へぇ~そうなんだ…。イメージ通りだなぁ…」
「へっ…?何か言った??」
最後、呟くように言った玲央くんに私は聞きとれず彼の顔を見る。
「ううん、何でもない。…続けて?」
「あっうん。んーと……」
私は再び夜空を見上げた。
「果物は桃とメロンが好きで…んーあとは…あ。うさちゃん!……知ってる?」
「うさちゃん…?って、もしかして…白くてピンクの服着た、うさぎのキャラクター?」
言ったあと玲央くんの方を見ると…彼は一瞬考えて、そう答える。
「うん、そうそう!でも、よく知ってたね?」
「え?あぁ~…だって未亜ちゃん、そのキャラのグッズいっぱい持ってるじゃん。だから覚えた」
そう言って優しい笑みを私に向ける玲央くん。
「……っ」
そ、そんなに…私のこと見てたんだ…。なのに私は…
「……ごめんなさい…」
「え…?何が??」
気づいたらそう言って俯いてしまい…玲央くんが不思議そうに言う声が聞こえてきた。