♀ my prince ♂
「だって私…ほんとにほんとに…玲央くんが好きなもの知らな…っ」
「大丈夫。知らないことは…これから知ればいいじゃん。っていうか…今から教えてあげるから。だから……顔あげてよ、ね?」
「……うん…」
私の話を遮り玲央くんは優しい声でそう言う。
それに私は頷き、ゆっくりと顔をあげて彼を見た。
「…ふふ。」
「っ…」
また優しい笑顔を私に向ける玲央くん。
そのまま頭を撫でられた。
「それじゃあ俺の番ね。えっと…色は青か水色、が一番かな?」
「へぇ~。玲央くん、青系が好きなんだね!…あとは??」
「あとはー…甘い物も普通に食べるし……あ。」
言いながら玲央くんは空を見上げる。
「…??」
何だろう…?
「気づいたら…空見てることが多いんだよね」
「“気づいたら…?”って…それは好きってこと??」
「ん~…どうなんだろ…?でも好きは好きなんだと思う。それに…」
そこまで言って玲央くんは、また私を見た。
「ここに来た理由だって…空、だったでしょ?」
「へっ……?」
……
『さっき空見てたら星がキレイだったから…未亜ちゃんと一緒に見たいなーって思って。』
あっ…。
「うん…そうだっ……っっ」
“そうだったね”そう言おうとした時、私の両肩に玲央くんの手が置かれて…
一瞬キスされるのかと思った、けど…実際にくっついたのは、おでこ同士で…。
「…っ!?!?」
私は瞬間的に目を見開いて、すぐさま玲央くんから目を逸らした。
「…何で逸らす?」
「だ、だって…近すぎるん、だもん…っ」
それに…鼻と鼻だって当たっちゃいそうだし…っ
「クスッ……可愛い。」
「//……っ」
玲央くんの息遣いがものすごく近くで伝わってきて私の体温は上昇するばかり…。