♀ my prince ♂
【未亜 side】
―――…。
『未亜ちゃん…?朝だよ…?』
夢の中そんな甘く囁くような声が聞こえた。
「っ……ん…?」
それと同時にギュッ…と抱き締められる感覚がして私はゆっくりと目を開ける。
そしたら私は寝室じゃなくって、 なぜかリビングのソファに寝転がっていた。
だけど…、
「……はれ…?今、玲央くんの声…」
妙にリアルに感じた、このことが気になりそう呟いた。
確かに今、私の名前を呼んだのは…大好きな玲央くん。
でも夢にしたって不思議なぐらい…耳元で聞こえたの…。
すると…―、
「…ここだよ。」
すぐ後ろから聞こえた声。
「えぇっ…!?わっっ!!」
次の瞬間には身体が急に起き上がる。
「えぇっ、あっ…玲央くん!?」
よく分からない状況に驚きながらも私はソファに座りなおして玲央くんに振り返った。
「おはよう、未亜ちゃん」
「へっ、あっ…おはよう…」
朝から爽やかすぎる笑顔を向ける玲央くん。
それに答えるように挨拶をした。
てかてか!何でここに玲央くんが…!?って、そうだ。
昨日…“そばにいて…?”って私がお願いしたんだ…。
…って!それよりっっ
「今、何時…っっ」
あることを思い出して私は壁掛け時計に目を向ける。
「はぁ~よかったー。まだ大丈夫だっ」
「ん…?朝から何かあるの?」
笑顔な私に対し玲央くんは不思議な顔。
「えっ?あぁ~…あのね…?夏凛ちゃんとの待ち合わせなの」
夏凛ちゃんとの約束ごと。
それの時間には、まだ間に合う時間だった。