♀ my prince ♂
「あっそうなんだ。そういえば…朝よく一緒にいるもんね?」
「へへ…」
玲央くんにそう言われて少し俯いて照れ笑い。
玲央くん、知っててくれたんだ…。
「ねぇ、未亜ちゃん」
「ん…?なぁに?」
名前を呼ばれて顔を上げた。
「……俺も行っていい?」
「えぇ…っ!?で、でも…夏凛ちゃん、いるんだよ…?」
玲央くんの発言に驚いた私は確かめるように尋ねる。
だ、だって…玲央くんと夏凛ちゃんは“犬猿の仲”なんだもん…っ
私としては二人に仲良くなってもらいたいって思っているけれど…。
「うん、それは分かってるよ。てか俺…ずっと未亜ちゃんのそばにいるし」
「//……っ」
そう言って優しく笑う玲央くんに私はドキッとしてしまった。
だ、だめだよ…その笑顔っ…反則!反則だから~…っ!!
「け、けど…部屋には?戻ったりしないの?」
「あぁ~…うん、まぁいいや。このままでも」
玲央くんは自分の格好を見てそう言う。
「そ、そっか。じゃあ私…用意してくるね…?」
「はーい。」
私の言葉に玲央くんが元気よく返事をする。
その顔が…あまりにも子供っぽく見えた。
「っ…」
何そのギャップ…。
私ったら…がっちりハートを掴まれちゃってる…。
可愛くってかっこいいとか…ほんとに反則…っっ
――それから数分後。
ピンポーンッ
部屋のインターホンが鳴り“夏凛ちゃんだ!”と
直感でそう思った私は急いで玄関のドアを開けた。
「おはよう、夏凛ちゃんっ」
「おはよー…って。えぇ~っ!?」
「えぇっ、な…何…?」
夏凛ちゃんは部屋の奥に視線を向けて叫び私は戸惑いながらそう言う。