♀ my prince ♂
ガチャ…ッ
『…あっ、宮崎さん』
『玲央様、おはようございます。未亜様には、お話されましたでしょうか?』
『うん。今してたとこ』
『そうですか。では早速、参りましょうか』
『んじゃあ連れてくんね』
誰が来たのかなぁ…?聞こえてくる感じからして男の人だと思うんだけど…。
「ぁ…」
そんな思いを巡らせていたら玲央くんが戻って来た。
「…未亜ちゃん、今から行くって」
「えっ…どこに?」
「新しい部屋」
「えぇっ!?もう行くの?」
「うん。だから来て?」
「っ…!」
玲央くんは私の腕を引っ張り外まで連れ出す。
「あれ!?宮崎さん…!?」
外に出ると何故か宮崎さんがそこにいた。
「未亜様、おはようございます。」
「あ…おはようございます…」
物腰柔らかく宮崎さんは挨拶をする。
それに合わせて私も挨拶をした。
「それでは…参りましょうか?」
宮崎さんはそう言うと歩き始める。
私たちは、そのあとについて行った。
玲央くんの部屋を出てしばらく…エレベーターの前までやって来た。
そして、それに乗り込むと宮崎さんは「12」と「閉」のボタンを押す。
そのまま、エレベーターは上昇し始めた。
12階…?って、この寮の最上階だよね…?
そんな最上階の部屋に、これから住むの…!?
内心、期待と不安が入り混じる中…あっという間に12階へと着いてしまった。
「……??」
あれ…??
だけど不思議なことに…12階には部屋が二つしかない。
何で…?何で二つしかないんだろう…??