♀ my prince ♂
「…分かった。ありがとう、未亜ちゃん」
「ううん」
「てかそれよりっ!未亜ちゃんこそ、ほんと気をつけてよね!?里原くんには!!」
夏凛ちゃんは急にグッと前のめりになってそう言う。
「うん…?」
っていうか…
「気をつけるって…何に??」
だけど…私の頭の中では“?(はてな)”が、いっぱい。
前にも言われたことがあるけど…未だに意味が分からない。
「……。はぁ~……だからっ!」
「っっ!?!?」
夏凛ちゃんは呆れたように一つ、ため息をつき…“ある言葉”を私に耳打ち。
「ええぇ~っっ!!??ああああ…あたしがっ……れれれ…玲央くんとっ!?」
衝撃的な言葉を聞かされた私は人生で一番ってぐらい驚いた。
「だーって付き合ってるんでしょ!?今日から一緒に住むんでしょ!?ぜーーったい!襲われるよ!?」
「えぇっ…!?男の子って、そうゆうものなの…!?」
夏凛ちゃんが自信満々に言うから私の気持ちは不安で満ちてくる。
「里原くんは!そうゆうものっ!」
「えぇ~…」
何で玲央くんだけなの…っ!?
「未亜ちゃん、全然分かってないみたいだから言うけど…あいつは人前で、ごく普通にいちゃいちゃ出来るやつなんだよ!?そんなやつの傍にいるなんて…危険に決まってるじゃん!」
「……」
確かに…そうだけど…。
「だから!ほんっとに気をつけるんだよ!?嫌なら嫌って、ちゃんと言うんだよ!?」
夏凛ちゃんは念を押すようにそう言った。
「っ…はい…」
―――――…
――――――…