♀ my prince ♂
smile.13
小悪魔王子
―それから数十分後。
コンコンッ
「玲央くんいる…?」
部屋に戻ってきた私は玲央くんの部屋のドアをノックする。
「…いるに決まってるじゃん。入って?」
「うん…」
するとすぐに玲央くんは出てきてくれて私は彼の部屋に入った。
私…本日二回目だ…でもどうしよう?どこに座れば…。
「いいよ?ベッド座りな?」
内心あわあわしていた所に玲央くんの声。
「ぁ、うん…」
私は言われた通りベッドに座る。
そのあと玲央くんが私の隣に座った。
な…何でだろう…?朝より今の方が緊張する…。
「……どうした?」
「へっ!?ううん…っ」
ドキドキが増してくる中、玲央くんが私の顔を覗き込むから素っ頓狂な声が出てしまう。
てか私…明らかに動揺してる気がするっ…どうして…?
「ふ~ん。てか未亜ちゃんてさー…」
「きゃ…っ!」
「こうゆうの…したことないよね?」
だけど玲央くんは私をベッドに押し倒して…そんなことを言い放つ。
「え……っ!?」
“こうゆうの”って…?
「あっ……分かんない?」
「……」
も、もしかして…!!さっき夏凛ちゃんに言われた…っっ
「せっ……」
「分かる分かる分かる分かるっ!!」
私は玲央くんの“その言葉”を遮った。
「っていうか…あるわけないじゃんっ!!」
初めて好きになったのが玲央くんなのに…
初めて彼氏になったのも玲央くんなのに…
そんな“大人なこと”経験してるわけないじゃんかー…っっ
「だよね。……じゃあ待つ」
「えっ…?」
「未亜ちゃんが“いい”って言うまで…俺、待つから。」
っていうことは…とりあえずは大丈夫なんだ。よかった~…。
私はそう思いながら心の中でため息をつく。