♀ my prince ♂
smile.14
お誘い
―9月。
一緒に住み始めてもう二週間が経ち、すでに二学期だって始まっている。
だけど私はまだ…玲央くんとデートらしいデートをしていない…。
何でなんだろう…?理由が全然分からない…。
私は玲央くんとデートしたいのに…自分から言った方がいいのかな…?
そんなことを思って数日。とある休日の朝だった。
「玲央くん…?」
「未亜ちゃん。今すぐ、これ着て」
朝ご飯を食べ終わり部屋に戻ると玲央くんは待っていたようで紙袋を私の前に差し出す。
「え…何で?」
「いいから、早く。」
「っ…」
う゛っ…今日も強いよぉ…。
有無を言わさない玲央くんの態度に負けた私はそれを素直に受け取り部屋に向かう。
だって、あの玲央くんには勝てないんだもん…!!怖いもん…っ
っていうか“これ着て”とかなんとか…一体何が入ってるの…?
部屋に入ってすぐ中身を確認。
「っ!」
その中身は、ピンクでフリルのたくさんついた可愛いワンピースと黒のレギンス。
かっ…可愛い~~!!!私こうゆうの好きだなぁ~。
でもこれ…私に似合うのかな…?着ても変じゃない…?
って!とりあえず着なきゃ…!!玲央くんが待ってるんだから。
カチャ…ッ
「あ…可愛いね?」
部屋を出てすぐ玲央くんからの一言。
「……?」
この服、かな…?
「あ…そうだよね。このフリフリ具合とかっ」
私は一瞬だけ考えて洋服のことだと思いそう答える。
「違うよ!そうじゃなくって…未亜ちゃんが」
「え…!?私が…?」
玲央くんの意外な一言に驚く。
「うん。可愛いねってこと」
玲央くんは私に笑顔を向けた。
「//…っ」
そ、そんなの…照れるから…っっ
「実はそれさー…俺が選んだんだ。」
「えぇっ!?嘘!ほんとに?」
「ほんとに決まってんじゃん」
玲央くんの告白に私がまた驚くと彼は当たり前!とでも言うようにそう言ってのけた。