♀ my prince ♂




「ん…?どうしたの?」



「えっ?ううん。何でもない…」


そんなことを知ってか知らずか玲央くんはいつも通り。



「ふ~ん…てか未亜ちゃんのもちょうだい?」



「うん!いいよっ」


私は玲央くんの方にアイスのカップを差し出した。




「……。俺だけそれって…不公平じゃない?」



「……?」


少し不満気な玲央くん。




ん…?どうゆうこと…??




「あ。その顔…全然分かってない顔だ!」



「!」


それでも私の考えを当ててくる。




あ…当たってる…。




「だから…さっき俺がやったみたいにやってよ」



「っ!!!」


その発言に目を見開いた。




ふぇ…っ!?そ、それは…こっちの方が…恥ずかしいかも…。




「ねぇ未亜ちゃん…やって?」


そう言うと玲央くんは私をものすごく見つめてくる。



「っ…、」




この目…久しぶり見た…“おねだり”する時、必ず玲央くんがする目…。


超絶可愛くって、(男の子なのに)うるうるさせちゃってるような気もするし…。
だから私、この目を“おねだりの目”って呼ぶことにしたの(玲央くんには内緒で)



っていうかどう頑張ったって…この目には勝てないの…―。




「もう、分かった…っ!!」



「……うん。これも美味しいね?」


意を決した私は彼にアイスを“あーん”とする。
それを口にした玲央くんは満面の笑みで笑った。



「っ……//」




ほんとにだめ、この笑顔…。メロメロになっちゃう…。




「玲央くん…」



「んん?」



「……好きだよ…?」



「ふっ…知ってる。でも何でいきなり?」



「へっ…!?あっ……ただ…言いたかった、だけ…//」


恥ずかしいことを言ってしまったことに気づいた私は俯いた。




何で私…いきなり“好き”とか言っちゃったの…?
もう自分で自分が分からないよ…。





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