♀ my prince ♂
「っ…!!!」
えぇ~…!?ちょ、ちょっと待って…!!それ言っちゃうの…っ!?
「えぇ!?何それ~っ!!超ーヤラしいんですけどっっ!!」
そんな玲央くんに非難の目を向ける夏凛ちゃん。
「何だよ、その目は!じゃないと分かんねぇじゃん!」
「それにしたってヤラしいのには変わりないつーのっ!!」
「てかさ!ヤラしいヤラしい言うけど…俺と未亜ちゃんは付き合ってんの。分かる!?身体だって触っても許される関係なんだよ!」
「何!?その言い訳!?未亜ちゃんの彼氏だからって何でも許させると思ってんの!?」
「……」
うぅ…どうしよう…?止める、べき…??
「はぁ!?別にそんなこと言ってねぇだろ!?未亜ちゃんの嫌がることは何もやってないっつの!」
「それ…私には信じられないんですけどっ!!」
「じゃあ未亜ちゃんに聞けよ。」
「!」
二人の攻防に私が巻き込まれる…気がした。
「未亜ちゃん…こいつが言ってること…ほんとなの?」
「えっうん…ほんと、だよ…?」
真剣な眼差しを向ける夏凛ちゃんにそう言う。
それに私…玲央くんに身体を触られても…嫌、じゃないの…。
って…!そんなことは絶対、二人の前では言えないけどっっ!
「そっか。ならよかった。でも何かあったらすぐ言ってよね!?こんな奴…倒してやるんだからっ!!」
「あっ…うん…」
宣戦布告ともとれる発言に私は、たじろぐ。
夏凛ちゃんて…ほんとに強いなぁ…。何だか憧れちゃう。
「てか…もう行くんじゃないの?」
玲央くんが腕時計を見ながら言った。
「あっそうだった!だから一緒に来たのっ」
「そっか!もうそんな時間だったんだね。じゃあ行こ?」
夏凛ちゃんの部屋をあとにして三人で食堂に向かった――。