♀ my prince ♂




「…ねぇ…玲央くん…」



「ん~?」



「…さっ……さっきの…っ」


どこに向かって歩いているのか分からない中、私は俯き気味に言葉を発した。



「あ。…嫌だった?」



「そう…じゃなくって…っ」



「恥ずかしい?」


玲央くんは私が言おうと思っていたことを間髪いれずに言ってのける。



「…うん…//」


だから私は小さく頷くことしか出来ない。




だって…!ほんとのほんとに恥ずかしいんだもん…っっ
例え一回あるって言ったって…慣れるものじゃないから…!!




「ふっ……ほんと可愛いよね?」



「ふぇっ!?な、何でそうなるの…!?」


いきなり“可愛い”なんて言う玲央くんに私は驚き彼の方に振り向いた。



「それは教えなーい。てかそれより…涙引いたみたいだね」


玲央くんは私の顔を見てそう言う。



「未亜ちゃん……もう大丈夫?」



「え……うん…っ」



「そっか。……よかった。」


私が返事を返すと玲央くんは笑顔でそう言ってくれた。



「てか俺…未亜ちゃんの悲しい顔なんて見たくない。それに…笑ってる未亜ちゃんが好きだから…未亜ちゃんにはずっと…笑ってて欲しいんだ」


だけど…急に真剣な顔つきになる。



「…玲央くん…」




私のこと…そんな風に思っててくれたんだね…。



私も玲央くんが笑ってる顔…すっごく好きだよ…?だから私も…
玲央くんにもずーっと…笑ってて欲しいって、そう思ってるの…。





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