♀ my prince ♂
―そして夜。
食堂で夏凛ちゃんに色々ツッコミを入れられていた時。
「…残された俺らのことも考えてくれよなー?」
「……ぁ。」
「渡部くんっ」
亮くんまで私たちの元へやってきた。
「ここ座るね?」
そう言って夏凛ちゃんの隣りに座る。
「何?そんな大変だったわけ?」
私の隣に座る玲央くんが亮くんにそう尋ねた。
「大変ってわけではないけどさー…空気がね、重かったよね?小嶋さん」
「ぇ……う、うん!すごい重かった。泣いちゃうファンの子たちが続出で」
夏凛ちゃんは少し驚いてそう答える。
「ふーーん……でも俺には関係ないし。未亜ちゃんの笑顔さえ守れればいいから」
「//……」
な…何でそんなこと、さらっと言えちゃうの…?
「相変わらず…かっこいいこと言いますねー?」
そう言ったのは夏凛ちゃん、じゃなくって…
「何?バカにしてんの…?亮」
まさかの亮くんだった。
「いーや?そうゆうつもりはないけど?ただ…小嶋さんならそう言うかと思って」
「えぇ…!?私っ!?!?」
夏凛ちゃんは急に話を振られて自分を指さし、すごく驚いている。
「うん。……あれ、違った?」
「え…違わなく…はない、けど…」
「だよね?だと思った!」
亮くんは可笑しそうに笑う。
「何か知んないけどさー…小嶋化すんの止めろよ。」
「小嶋化…?」
「はぁ~!?あんたに言われたかないね!」
亮くんの言葉を遮るような夏凛ちゃんの声。
このあとしばらく…二人のバトルは続くのだった――。