♀ my prince ♂




「―…全然思ってないから…」


そして…耳元で優しくそう言ってくれた。



「…玲央くん…」




玲央くんは…やっぱり玲央くんなんだね…。
てかこのまま…ずっとこうしていたいかも。




「……。」


なんて思っていると玲央くんが私を離した。




なんだ、もう終わりなんだ…。玲央くんの腕の中、大好きなのに…。




「……何…?誘ってるの?」



「っっ!?!?!?」


そう思って見つめていると玲央くんから衝撃発言。




さっ…誘う…っ!?




「えっいや、別に…そんなんじゃ、ないもん…」


私は彼の発言に明らかに動揺してしまう。



「ふ~ん…じゃあ、キスしていい?」



「ふぇっ!?し…したじゃん!」




あんなに大勢の人がいた前で…っ!!




「あれは公バージョン。」




えっ何…!?その“公バージョン”って…っ!!




また訳の分からないことを言う玲央くんに頭の中がパニックを起こしはじめる。



「あ…答えなくてもするからね?」



「っっ…」


玲央くんは本当に私の答えを聞かないまま…私の唇を塞いできた。
今日も相変わらず何度も角度を変えて、キスが降り注がれる――。



「…ん…っ」




玲央くんとのキスは好き…。だっていつも…私を甘くさせてくれる…。


私は彼とのキスしか知らないけど…玲央くんは上手いんだと思う。
そんな玲央くんについて行くだけで…私は精一杯なんだから…―。




「っ…!!」


だけど今日は…“ある異変”が起こる―。





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