♀ my prince ♂
「あのキス……なに…?」
そう、ずっと疑問に思ってた。あれって何だったの…?
私の口の中に入ってきた正体不明のものは…一体なに…?
「あ、知らない…?ディープキスだよ。舌入れんの」
……っ!!!!!!
「えぇ!!じゃ、じゃあ…あれって…っ」
「……お察しの通り。」
玲央くんはニヤッと笑ってそう言う。
わああぁぁーー…!!!
あああ…あれ…玲央くんの舌、だったんだ…っっ
て、ていうか…あんなにも器用に動くものなの…!?
「…もう無理っ…恥ずかしい…っ」
私は熱く感じるほっぺたを両手で包んで俯いた。
何それ、何それ、何それ…っ!!
あんなキスしといて何でそんなに平常心でいられるのー…!?
私には理解できないっ…!っていうか…したくもない…っ!!
『…可愛すぎだよ、未亜ちゃん』
すると…玲央くんの小声が聞こえてくる。
「まっ…!また、そんなこと言うーっ!!」
バッと顔を上げて反論。
「だってほんとなんだもん。しょうがないじゃん」
「っ!!……///」
玲央くんはそう言って私の肩に腕を回してきた――。
こ、こんなの…またドキドキしちゃうじゃんか…っっ
てか私…玲央くんにドキドキさせられすぎで…絶対死んじゃう…。
ちゅっ
「きゃ…っ!」
心の内を知ってか知らずか玲央くんは私のほっぺにキスをする。
「何その反応。めっちゃ可愛いね。」
彼はそう言ったまま、しばらく私を離してはくれなかった――。