朧月
喋ろうとしない私を見て、空は言葉を続ける。
「晃のこと忘れなくても良いけど、このままじゃ良くないよ。」
そんなこと言われなくても分かってる。
私が理解していることも、空は分かってる。
分かった上で、こんなことを繰り返す私を見ていられなかったのだろう。
「空、部屋だいぶ片付いたね。」
話を変えると、空も私に合わせて晃の話はやめた。
「麗はまだ終わってないんでしょ。」
「うん、全然進まない。」
笑いながら答えると、空もつられて笑顔になる。