朧月

ピンポ-ン

ピンポ-ン

ピンポ-ン

ピンポ-ン


ドンドンドンドン



またしても睡眠を邪魔された僕は不機嫌なままドアを開ける。

相手は誰なのか扉を開ける前から分かっていたけれど。



「壱!俺、一目惚れした!」


ほら、陸だ。
僕は無言のまま部屋へと引き返す。

年中恋をしているこの男の一目惚れなんてよくあること。


気にも止めずにキッチンへ向かうとコーヒーを入れる。
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