朧月

「お前聞いてんの!?」

陸は興奮したまま僕の背中を何度も叩く。


「どうせ入学式で可愛い子でも見付けたんだろ。」


振り返ると陸は嬉しそうに目を輝かせる。

何故、そんな意図も簡単に恋が出来るのか教えてほしいくらいだ。


「で、名前聞いた?」


陸はその言葉を聞いて顔面蒼白になる。

こいつはいつもそうだった。

一目惚れして、見とれているだけ。

陸の恋は3分で終了する。
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