朧月
「麗ちゃんの、友達に一目惚れして。今友達の家から麗ちゃんを見付けたから、急いで来てみたわけなんだけど。」
私は一瞬考えたふりをして間をあけて話す。
「空のこと、好きになったんだ。いいよ、協力してあげる。」
「ちなみに空ちゃんは彼氏って…?」
空は彼氏はいなかった。
調度、前の彼とは別れたばかりだった。
「いないよ。」
陸くんはすごく嬉しそうな顔をした。
「じゃあ、お願いします!」
そう言って、彼は帰っていった。