朧月


がっくりとする僕を、陸は嬉しそうにバシバシと叩く。


「いいじゃん。麗ちゃん結構可愛いし。壱もさ、そろそろちゃんとした彼女作った方が良いって。」


そう話す陸の顔は満面の笑みだった。


恋をするのがそんなに楽しいのだろうか。

女ってやつは、よく泣くし
わがままだし
すぐに嘘をつくし
めんどくさい。


めんどくさいんだ。


僕だって生まれつきこんな考えではないけれど、
恋だとか愛だとかそんなものは鬱陶しくて
僕の邪魔をするもので
だけど、欲しくて欲しくてたまらないものなんだ。
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