朧月

僕は、中学生の頃からなんとなく恋愛に関してのめり込めない部分があった。

告白をされるときも、初めて付き合ったときも、いつも自分を客観視している僕が居て。

デートをするときも、セックスをするときも、もう1人の僕が本物の僕を嘲笑う。

どんなに美人でスタイルの良い女と付き合っても、どんなに優しい子と付き合っても、彼女を可愛いと思えたことはなかった。


中学のとき、よく一緒にいた先輩が強姦をした。

「お前もやるか?」

そう言われたけれど、気乗りのしない僕は見張り役となっていた。

背中越しに聞こえる女の叫び声が、段々と喘ぎ声に変わるのを僕は何度も聞いたことがある。

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