朧月

勿論、世の中そんな女性ばかりではないだろうけど。

少なくとも僕の周りにはそんな女しかいなかったんだ。

だから、ずっと誰も愛さなかった。

愛する価値すらないと思っていた。

演技だけして寂しい気持ちは紛らわして、お小遣いをくれる人からは貰って、
それが悪いことだとか、悲しいことだなんてのは僕の心の中の感情にはなかったんだ。

愛する価値すらない女だと決め付けて、愛されることをも知らない僕は自分を正当化して、ずっと小さい世界で生きていた。
< 40 / 48 >

この作品をシェア

pagetop