朧月

行っていないに等しい学校の人に尋ねても何も分からなかった。

施設に行っても門前払い。

いつも彼と一緒にいた友人や先輩は何も教えてはくれなかった。

勿論、彼からの連絡もなくて。

空も一緒に、毎日のように朝から晩まで彼を探してくれた。

だけど、何の手がかりも掴めなかった私は諦めることを決めた。

薄々は感じていたから。


きっと彼は警察につかまった。

彼の悪さは、田舎の中学生がする悪さとは桁が外れていたから。

だけど、彼の音沙汰ない様子や
真実を知るのを恐れて、
もっと本気で探そうともしない自分に見切りを付けた。



私に残されたものは
4年間の思い出と、心に空いた穴だけ。
< 46 / 48 >

この作品をシェア

pagetop