朧月


陸の家に行くと、部屋はダンボールで埋めつくされている。


「お前やること早いな。」


タバコに火をつけるとダンボールだらけの中、申し訳なさそうに隅に置かれたソファーに座る。


陸は切ったばかりの茶色い髪を立てながら鏡越しに僕を見た。


「お前も女とばっか遊んでないで荷造りしろよ。」




僕らは、春から大学生になる。
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