トモダチの彼女と同居



ゲラゲラとバカにしたように笑う結に、俺はからかわれていたんだなと気づいた。



俺だけその気だったのか。



あほか、俺は。



はぁ~自分が嫌だ~。



「ねぇ、お願いがあるの」


顔の前で両手をあわせ、パチパチと叩く。



「何」


俺は唇を尖らせ、結を睨んだ。




「あたしを成仏させる方法を一緒に探してほしいの」



成仏?

なんで俺が!


俺は勢いよく首を横にふった。


「嫌だ!」


俺は新しい生活のスタートラインに立ったんだ。



おばけの成仏のお手伝いなんて、そんなのできる余裕なんてない!




結の顔をみると、酷く落ち込んでいる様子だった。



そして一粒の涙が彼女の頬を伝う。




「あたしだって生きたかった。高校生活を犠牲にして医学部に合格できたのに、この仕打ちよ!一体あたしが何したっていうのよ!」



大声をだして泣きわめく彼女。



なんて声かけていいのかわからない。



友達とはいえども、もう故人。



彼女に同情することしかできない。



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