トモダチの彼女と同居
小さな隠れ家のカフェ。
ドアを開けるとカランカランと定期的になる鐘がお出迎えしてくれる。
知る人ぞ知るカフェだから、お客さんは誰もいなかった。
葉月はいつもの一番奥の席へと向かう。
俺もそのあとについていき、葉月の座る向かいの席に座った。
「葉月どうしたんだ」
「別に」
葉月は必要以上の言葉を基本喋らない。
「何頼むか?葉月!俺はパンケーキを頼むぜ」
「珈琲ひとつ。あ、無糖で」
洒落ってるわけじゃない、こいつは素なのだ。
くっそ~根っからのイケメンだよな~本当に。
店員を呼び、注文を済ますと葉月はひとつあくびをした。
「何だ?寝てないのか?」
「最近寝不足」
理由を聞けるはずがない。
結
以外思い付かないから。
「ふーん、そうなんだ」
結が死んで葉月とまともな会話をする機会ができたのは今日が初めてかもしれない。
きまずい。