トモダチの彼女と同居




「相川結さん」



「あたし?」


結が首をかしげる。



な、なんだ、いきなりかしこまって。





「あなたが成仏できない理由も私はわかります。あなた自身も気付いているでしょう?」



結が気付いている?




そ、そーなの?




「え?わかるわけないじゃん」



結がむっとした表情で上原さんを睨む。




な、なんだこの雰囲気、俺苦手範囲だぞ。




「その思いが消えない限りあなたは成仏できずに苦しむことになる」




何の思いだ?



「い、いみわかんないよ~」



「私にはあなたの心の中が読めます、いつでも相談のりますから」




笑顔で会釈するとふたたび歩きはじめた。




結はその姿をじっとみつめるだけだった。




結は俺に何か隠している。




何もわからないけどそれだけは確信できた。




< 38 / 69 >

この作品をシェア

pagetop