トモダチの彼女と同居
小学生
* *
教育心理学
子どもを心理学の立場から研究する俺の興味のある分野の講義だ。
俺の隣には、小児科医志望だった結がノートに一生懸命先生の話を書き留めていた。
昨日の葉月と結の関係性を追及するつもりはないが、色々気まずいままだ。
「先生!なぜこの子どもはそのような態度をとるんですか?」
結が手をあげて、先生に質問を投げ掛けた。
結は高校時代のときもわからないことがあったらすぐその場で先生にきいて解決させていた。
しかし。
先生はそんな結の質問にもちろん答えるはずがなく。
講義をただひたすら続けているだけだった。
結は自分が故人であることを今思い出したらしく、下をうつむき唇を強く噛み締めていた。
「そんな顔すんなよ」
俺は結の肩に手をポンッとおいた。
「なにがよ!あたしは至って普通よ」
俺の頬をひっぱりながら舌をだす結。
そんな結を一瞬だけだが愛しいと思えた。
俺、きも!
同居して情がうつったか?
結を愛しいと思うとか世界の破滅だぜ。