トモダチの彼女と同居
「ねーねーなんかここさむくねー?」
アーキは盛り上がってる輪から少し離れ、例の女の子に話しかけた。
「あ、はい、すこし」
手を股の間に挟み、少しでも寒さをまぎらわせていたようだ。
アーキ
よくみてるな。
不覚にも感心してしまった。
アーキは笑顔をふりまくと、来ていたジャケットを彼女に羽織ってあげた。
再び言わせてもらうが、狙ってるわけじゃない。
素でやっているのだ。
「あ、ありがとうございます」
照れ臭そうにして真っ赤な顔を隠すかのように下を俯く彼女。
あたしの眉が無意識にピクッと動く。
「俺、教育学部の亜紀ー。」
「あ、か、家政学部の由衣といいます」
ゆい?
あたしと同じ名前かよ!
「え、まじ!俺の仲良い友達と同じだ!」
アーキは目をキラキラさせてそういった。