tears town
止まってた時間が嘘のようにあかねは手早く肩まである艶やかな髪の毛を後ろで束ね、黒いワンピースに着替えた。



着替え終わると立ち鏡の前へ行き、前身を隈なくチェックして靴をはき外へと出て行った。



雨の止まないtears townは今日も薄暗く肌寒かった。


その暗い街の聞き慣れた雨音となかあかねは紺色の傘をさし、雑踏の中へと歩いて行った。



住み慣れた街を歩く彼女の後ろ姿はいつものように淡々としていた、しかし彼女の瞳だけは物悲しげだった。
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