大切な記憶



ふと、隣に目を向ける。




隣は空席だったはずなのに埋まっている。



あぁ…そういう事か…。




やっとこの席達の主が来たのか。



なら私の名前しらないよね。



「こら、怖がってるだろ?」



私が怖がる?


ははっ!笑わせるなよ。



「いきなりでごめんね。

俺は東條 態呀(とうじょう たいが)。

そして、怖い顔をしているこいつが天野 流星(あまの りゅうせい)。

この騒がしい櫻髪は海堂 日向(かいどう ひなた)。
因みに変な関西弁使うのはこいつ昔いろんな所転校してたからごっちゃになってこんな喋りになったんだって。」



宜しくと付け加えられ握手を求められた。


その握手に答えるように自分の手を出し握ると態呀の手は一瞬ビクッと揺れた。


どうしたのだろうか?


表情を見ようと顔をあげた。



態呀と言う奴は笑顔だった。



斜め前の東條 態呀と言う奴は社交的だな。


「名前、聞いてもいいかな?」


自己紹介されたし、しない訳にはいかないよね。



真面目キャラ…


『……竜崎 楓です。』




隣でかすかに動く気配がした。



目の前の2人は目を見開いてるし。



「あの竜崎 楓ちゃん?」



はぁ?なに?



あのって?



私の事知ってんの?



…もしかしてこいつらが毒蛾なのか?




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