大切な記憶
-態呀side-
「どうしたんや?ずっと手なんか眺めて。」
そう、俺はさっき楓ちゃんと握手した方の手を眺めている。
楓ちゃんの手はすごく冷たかった。
瞳も表情も…なんだか…
『いや、なんでもない。』
俺があれこれ考えたって答えは見つからない。
俺の悪い癖だ。
勝手に踏み込むのは止めよう。
ふと時計を見る。
楓ちゃんが教室から出ていって結構時間が経ていた。
けど、なかなか楓ちゃんは帰ってこない。
「ん……」
流星は目をこすっている眠りからのお目覚めのようだ。
『楓ちゃん遅いね…。』
流星に話をふるが無言。
楓ちゃんの変わりように戸惑っているのかな。
無理もないか…。
俺は流星から視線を外し考えごと始めた。
_ガタッ
「ボス、どこ行くん?」
日向は流星の行動に気づき声をかける。
「…探してくる。」
呟きドアの方へ歩き出す。
「ほな、俺も♪」
日向も行くのか。
ここに居てもやることないから俺も行こうかな。
やれやれ、これからいろんな事件が起こりそうな予感だ…。
それでも俺は総長について行くって決めたからな。
期待に答えれるようにするまでだ。