大切な記憶
あ、忘れてた!!
こいつ等さっきの奴らの仲間かも知れねーんだ!
もしかして袋叩きにするためにここに連れてこられたのか?
『あの、もしかして…さっきの人達の…仲間ですか?』
うっわ。すんごい睨みがきたよ。
流星さん目、鋭いんですからやめてくださいよー。
「俺らはあんな奴らとちゃうねん。関わりたくもない。」
今までにこやかだった顔がみんないっきに真顔になった。
「楓ちゃん、あいつ等は毒蛾って言う族。あいつ等の腕や首、足、体の何処かには蛾の刺青が入ってるよ。楓ちゃんもあの距離だったら見たでしょ?」
んー?あの時のやり取りを思い出そうと顎に手をそえる。
……もや~と浮かんできた…あ、そうだ。壁を殴った奴の腕に蛾の刺青があった。
なるほど。あいつ等があの毒蛾かよ。
一口、コーヒーを飲むと続けて話し始めた。
「毒蛾はなんでも有りな奴等なんだ。
気に喰わない奴はどんな手を使ってでもぶちのめす。
俺達は信獣っていう族。正統派だよ。
仲間を信じ仲間が危険にさらされてる時は何がなんでも守りぬくって意味。
一般人には決して手を出さない。」
毒蛾について柊に聞いたことと同じだ。
「これ「これが俺達とあいつ等の違いやねん!!」
わぁーお。
日向が決め台詞的なものを奪ったよ。