大切な記憶
…………お…ぃ…
ん?
…………かえ…で
だ…れ?
………おい!
聞き覚えのある声だ。
………かえで!!
「おい、起きろ!!楓!!」
パチッ!
『へ!?』
颯?
体を起こしたら、なにか冷たいものが頬に一本の筋ができた。
あれ?なんで涙が零れてるの?
なんの夢を見ていたのか思い出せない。
手の甲でごしごしと涙をぬぐう。
「__へ!?じゃない!もう9時だぞ!!」
9時?9時って…。
『夜の…?』
「なわけないだろ!朝の9時だよ!」
『はぁぁぁぁぁぁぁあああああ!?!?!?!?!?!?』
ど、ど、ど、どういうことだ!!!!!
目の前の奴は
うるせーってぶつぶつ文句言っている。
普段なら文句の一つや二つ言うけどそんな事どうでもいい。
『やばいぞ颯!真面目ちゃんが学校に遅刻などあってはならない事だ!!』
颯の胸ぐらに勢いよく飛びつきガックンガックンと揺らす。
「いてぇー…んなこと俺に言ったて起きないお前が悪いんだろ。」